接客英語 1 基礎編

目からウロコの接客英語 基礎1 外国のお客様を接客する際の注意点:第一印象を激変させる挨拶

目からウロコの接客英語 基礎1

第一印象を激変させる挨拶

2020年の東京オリンピックを間近に控え、訪日外国人観光客の数は、右肩上がりに増え続けています。日本へ再訪する観光客は、東京、大阪、といった大都市だけでは飽き足らず、行ったことのない新しい観光地を求めて、日本全国各地の地方都市へも足をのばすようになりました。日本国内の販売店や飲食店で働いていても、たくさんの外国人客に接する機会が増えています。英語が苦手な場合どうすればいいでしょうか。

完全な接客英語が話せなくても、接客する側の意識を少し変えるだけで、お客様を喜ばせ大きな効果を生むのが挨拶です。

日本のホテルやお店などでは、誰彼構わずどなたにでも真っ先に「いらっしゃいませ」という言葉を掛けますが、欧米ではそういう習慣はありません。一対一の接客が基本なので、日本のように大多数に同時に何度も声掛けすることもありません。

では欧米ではどういう風に接客するのでしょうか。英語では、ホテルやレストランへ入ってきたお客様への声掛けの第一声は、「いらっしゃいませ」ではなく、

一人一人に対して目を見て

Good morning. (おはようございます)

Good afternoon. (こんにちは)

Good evening. (こんばんは)

カジュアルなアパレル商店やレストランなどでしたら

Hi!

Hello!

など、日本語の「こんにちは」に相当する一般的な挨拶をします。

挨拶掛けに反応して、立ち止まったお客様になら

Good morning. How are you?

などと続けます。

学校で英語を習った時に最初に覚えさせられた、あの定番の会話ですね。

How are you?

I’m fine, thank you. And you?

I’m good, thank you.

日本語では「こんにちは。お元気ですか。私は元気です。貴方は?私も元気です」なんて会話は、実際はあり得ませんから、これは言葉を習うためだけに練習させられたのだと勘違いしていませんか?英語圏で目の前で何度もこの会話を耳にするまで私もそうでした。また日本人は家族間で「おはよう」とは言っても「こんにちは」や「こんばんは」は言いませんが、英語では全ての挨拶言葉が家庭内でも交わされます。

「三尺去って師の影を踏まず」とか「女性は3歩下がって歩く」など、日本では敢えて相手との距離を取ったり、むしろ目線を合わせないことで、相手への敬意を示すことがありますよね。それに対し、英語圏では一人ひとり相手の目をまっすぐ見てアイコンタクトをとり、挨拶や会話をすることが礼儀です。

欧米人は、道で知らない人にでもHi!なんて声を掛け合っているのを、映画のシーンなどでも見ますよね。私は英国や米国でホームステイをして初めて気が付きましたが、欧米人も小さいころから家庭でしつこいくらいに挨拶マナーを躾けられているのです。てっきり、彼らは生まれつきフレンドリーな人種なのだとすら思っていましたが、なんのことはない、それがマナーなのだと躾けられてきたからやっているだけなのです。

欧米では、小さな個人商店に入ったとき始まる店主との会話だけでなく、大手スーパーで長蛇の出来ているレジの係の人でさえ、目の前のお客さんと Good evening! と挨拶を交わし会話までし始めることがよくあります。日本人からすると、後に控える何人もの客を軽視し、やるべき仕事もサボって世間話とは!?と信じがたい光景なのですが、彼らにとって一対一の挨拶を交わし会話をすることこそ、お客様への最大の敬意を払うサービスだと考えているようです。行列を待たせながらお客と会話を続けることに罪悪感を感じる様子は一切見受けられません。待たせられているお客側も、そういった行為を不愉快に思っている空気が一切ありません。誰とでも挨拶をしコミュニケーションを取ること、これが礼儀であると誰しもが認めているからなのです。

そういった社会で育ってきた人々からすると、一対一の挨拶がないということは非常に無礼であると感じます。

例えば日本のホテルのフロントで、お客様から「こんにちは。チェックインしたいのですが。」と言われて「はい、お名前を頂戴できますか?」と答えても何の違和感も感じませんよね。日本語の「こんにちは」は空気のごとく軽く、一方通行でも構わないからです。挨拶抜きで即座に仕事に取り掛かる姿勢にむしろ好感を得るかもしれません。

しかし

Good afternoon. I would like to check in, please. (こんにちは。チェックインしたいのですが。)

とお客様から英語で言われて、

日本語の感覚で

Yes, what is your name? (はい、名前は?)

と言ってしまうと、二重、三重の意味で失礼になってしまいます。生真面目な表情で、早速パソコンの画面に目を落としながらその返答をしてしまっては更に悪印象の上塗りです。まず、お客様からの挨拶Good afteroonを頂いたのにそれに応えなかったこと、これは日本人が一番見逃しがちで、些細なことに思えますが、実は第一印象を大きく決定づける重要な要素です。アイコンタクトを取り、笑顔でまずは挨拶の言葉を交わしましょう。

この場合は

Good afternoon, sir. Could I have your name, please?
(こんにちは。お名前を頂戴できますか?)

などとこたえるのが理想的です。同じ言葉Good afternoonでなくともHow are you?でも勿論いいですね。

また、挨拶が終わった段階でなら、ここで初めて「ようこそいらっしゃいませ」という言葉、Welcomeを使ってもいい場面です。

Good afternoon. Welcome to ABC Hotel. Could I have your name, please?

日本語の場合、「いらっしゃいませ」の声掛け → 用件「チェックインですか?」ですが、

英語の場合は、「おはようございます、こんにちは」等の時間に合わせた挨拶 → 「お元気ですか」個人的挨拶 → 「いらっしゃいませ」などの営業挨拶 →  用件「何かお手伝いできますか?」「チェックインですか?」という順番になります。

レストランなどでしたら、日本は配膳係は給仕するだけで、お客様との会話はあまり発生しませんね。英語圏では、テーブルにつく係りの人とお客様との会話は、日本で言う美容室での会話に似ているかもしれません。日本でも美容師さんとは必ずちょっとした会話が発生しますよね。挨拶だけでなく、名前を名乗って自己紹介をしたり、これで大丈夫ですかと意向を伺います。ただの配膳係りではなく、そのテーブルのホスト役として捉えるといいでしょう。

アイコンタクトをとること、挨拶をすること、挨拶には挨拶で答えること。これは最重要なポイントですので、強く意識してください。

日本には日本古来のおもてなしのやり方があり、そういった異文化を楽しみに来日される観光客が殆どですので、敢えて西洋式に替える必要などないと思います。しかし私たちが気づかない間に、お客様へ、大変な不快感を与えてしまっているとしたら、それは大きなマイナスですよね。ほんの少し気を付けて態度を変えるだけで、そのマイナス点をむしろ大きなプラスに替えることができるなら、やる価値はあるのではと思います。

只でさえ奥ゆかしい日本人にとって、英語で踏み込んで外国人に挨拶するのは非常に抵抗があるかもしれませんが、この挨拶のマナーを身につけることは、英文1000フレーズ覚えるよりも価値があるです!

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